2023年5月1日、
洞爺湖町の旧洞爺村エリアに、
本屋さんをオープンしました。
人口1000人の小さな地域、旧トーヤムラ。
小さな町だけど、
「あったらいいな」と思うものの多くは手に入ります。
薪窯パン、カフェ、ケーキ、調味料、雑貨、家具。
自分の「得意」や「好き」を、
湖がゆらぐように無理なく表現し、商いをしている人が多いのです。
柔らかく、それでいて芯のある人々が暮らすこの町にやってきて、
本作りをしている自分が本屋をつくることは、自然な選択でした。
ないから、ほしいから、つくる。
思い立ったときに本が手に取れる場所を。
場所は、小さな町のメインストリート、
洞爺郵便局の隣にある築100年の木造建築です。
以前は理美容室が入っていて、町のファッションの最先端だったそう。
さらにその昔は洞爺村役場だったそうで、
「ここに昔お米を量りに、じいさんに連れられてきた」なんて思い出話をおじいさんから聞くこともあります。
町の歴史を伝えるこの場所で、本屋ができたらなんて素敵なんだろう。
夢を口に出せば、ものすごいスピードで“叶ってしまう”トーヤムラ。
この場所もたくさんの人の協力で、とんとん拍子で決まりました。
本屋のコンセプトは、ありません。
型にはめたり、ゴールに向かって進むやり方ではない方法で
この場所をつくっていきたいのです。
だから、そのときどきの自分が好きな本や、興味のあること、読んでみたい本を置く予定です。
そして、昨年まで活動していた、「古書たまたま」の本も店内閲覧限定で置きます。
本屋の名前は、「たまたま書店」。
うれしいことに、町のみんなにはもう「たましょ」と呼んでもらっています。
あなたの今と“たまたま”重なる本があったら、連れて帰ってください。
店主の事務所でもありますので、
傍らでカタカタしているかもしれませんがお構いなく。
この場所で地域の本作りもやっていきます。仲間も募集中です。
それから、「北国写真館」の窓口でもありますので、
洞爺湖で写真を撮って、たましょで選んで、額装して手渡しできる場所にもする予定です。
あ、やってほしいと言われたので、中学生限定で人生相談もやります。秘密は厳守。放課後寄ってね。
なんだかゴチャゴチャしてますね。
でも人って、そういうものですよね。
たまたま出会ったこの町で、
たまたまつくることになったたまたま書店。
たまたま通りかかったあなたと出会って、
また次のたまたまにつながりますように。
では春に、ここでお待ちしています。
2023年2月 もりたかまき